着地時のトリミングは必要?
着陸時のバックプレッシャーを軽減するためにトリムを使用するのは良いことでしょうか?
まず、トリムは何をするものなのでしょうか?
トリムは対気速度を保持します。ある速度にトリムしてヨークを離すと、パワー設定に関係なくその速度で飛行しつづけます。トリム後、パワーを変更すると、トリムした速度を維持するためにピッチアップまたはダウンします。上昇速度にトリムして離すと、上昇速度が維持されます。巡航速度にトリムして、離すと巡航速度が維持されます。最終アプローチ速度にトリムして、離せば、最終アプローチ速度が維持される。
これが理想的なトリムの使い方です。現実には、速度を維持するために、パワー、ピッチ、トリムを少しずつ調整し続けなければならないかもしれません。
トラフィックパターンで旋回するとき、飛行機がノーズローにならないように、バックプレッシャーをかけるか、ノーズアップトリムをする必要があります。着陸の練習をしていると、トラフィックパターンの様々なピッチの姿勢や速度に合わせて、ほとんど常にトリミングをしていることに気がつくかもしれません。
ファイナルアプローチ
エレベータートリムによる失速をやったことがない人は、教官にデモンストレーションをしてもらって下さい。これは、ノーズアップトリムをかなりかけた状態で、フルパワーをかけた時に、ハイピッチにならないように、操縦桿に適切な前方圧力がかかっていないために起こる失速のことです。
完璧にトリムされ、滑走路にハンズオフでアプローチしているところを想像してください。エレベータートリムの失速は、このようなトリム設定で、ヨークの前方圧力が十分でない場合にゴー・アラウンドで起こることを再現しているものと思われます。
エレベータートリムの失速の危険性から、ファイナルアプローチでのトリミングを全く推奨しないパイロットもいます。しかし、これは意味があるのでしょうか?
ゴー・アラウンドで機首が上がるからと言って、ファイナル・アプローチでトリムを使うべきではないということではありません。ただ、ゴーアラウンドではできるだけ早く前方に圧力をかけ、トリムを前方に回転させる必要があるということです。
最終アプローチでノーズアップトリムがあれば、ラウンドアウトとフレアをスムーズに行うことができます。
ファイナルでのトリミングに関しては、明確な「正しい」方法というのはありません。急旋回のトリミングのように、ファイナルアプローチを重めのコントロールプレッシャーで飛ぶのが好きなパイロットもいれば、そうでないパイロットもいます。
しかし、ほとんどのパイロットにとって、ファイナルでトリムをすることは、すべきことです。トリムをすることで、より安定したオンスピードアプローチを行うことができます。そして、そうすることで、ほとんどの場合、より良いランディングができるのです。
トリムの使う=スムーズな着地
飛行機のトリムには「完璧な方法」というものはありません。しかし、トリムを使うことで、コックピットでの負担を減らし、快適なフライトを実現することができます。
飛行の各段階でトリミングの練習をし、指先の圧力だけで飛行できるようにしましょう。速度に合わせてトリミングした場合、ゴーアラウンドの時に前方制御圧を追加する必要があることだけは覚えておいてください。
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