空から見つけられなかったVFRチェックポイントを選んでしまったこと、ありませんか?誰しも一度は経験することです。そんな失敗を繰り返さないためのガイドをご紹介します。
チェックポイントはどこで探すべき?
ルートを計画する際には、セクショナルチャート(航空図)を使って、目立つ地点をルート上に沿って探しましょう。ルートから横に5マイル以上離れた地点は避けるのが基本です。
ルートの最初の部分では、チェックポイントの間隔はおよそ5~10マイルにします。巡航高度に達したら、チェックポイント間の距離を20マイルまで延ばしても構いません。
一般的に言って、チェックポイントが小さいほど、自機に近くないと視認しづらくなります。大きな町、広い水域、交通量の多い空港などは、5マイル以上離れていても目視で確認できる場合があります。一方で、鉄道、ローカル空港、小さな町や湖などの小さなポイントは、自機から1~3マイル以内にあるのが望ましいです。
高度を上げれば上げるほど、遠くにある大きな物体は見つけやすくなります。ただしその一方で、高度が高いと湖や鉄道、交差点といった小さな目標物は見つけにくくなります。
言うまでもありませんが、自機の真下にあるポイントを選ぶのは避けましょう。機体を横に大きくバンクさせない限り、真下のものを見るのは非常に困難です。
また、飛行視程も重要な要素です。もし天気予報に霞や雨、低い雲などがある場合は、よりルートに近い場所にチェックポイントを設けるようにしましょう。
最適なチェックポイントの選び方
良いVFRチェックポイントを見つけるには、「位置」「大きさ」「距離」の3つの要素が鍵です。周囲の環境としっかりコントラストを持つ大きな物体が、最適な選択になります。以下は、空中から視認しやすいチェックポイントの一例です:
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舗装滑走路のある空港:滑走路や誘導路の周囲は開けており、周囲の草地とのコントラストがあるため非常に見つけやすいです。
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鉄道:鉄道の線路も開けたスペースがあり、比較的見つけやすいです。
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高速道路:複数車線の高速道路は上空からでもよく目立ちます。
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主要な道路の交差点:特にクローバー型インターチェンジなどは上空から非常に識別しやすいです。
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大きな川:セクショナルチャート上である程度の幅で描かれている川を探しましょう。細い小川はただの線ですが、川は幅をもって描かれます。
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形がはっきりしている大きな湖:輪郭がわかりやすい湖は空からも識別しやすいです。
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特徴的な構造物のある町:その町に大きな道路、鉄道、水道タワーなどがあれば、識別しやすくなります。
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風力発電所:開けた場所に設置されている風力発電の風車群は、非常に目立ちます。
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露天掘り鉱山(オープンピットマイン):運よくルート上にあれば、最高の目印になります。
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VOR施設:VORの近くを飛ぶ際には、大きな白い塔がある開けた場所を探してください。新しいタイプのVORは、小さな白いポッドが円形に並んだ形をしており、視認しにくい場合もあります。VORのラジアルと距離を使って、位置確認もできます。
夜間飛行をする場合、チェックポイント選びの鍵となるのは「照明(ライト)」です。空港のビーコン、町の灯り、高速道路、風力発電所、照明付きのタワーなどが適した選択になります。
セクショナルチャート(航空図)には「VFRチェックポイント」としてフラッグ(旗)アイコンで表示されているポイントがあります。これらはチェックポイント名が下線付きで記載され、目立つ建物や地形的なランドマークなど、空中から視認しやすい地点です。
ただし注意が必要です。こうしたフラッグ付きのポイントの中には、その地域のローカル知識がないと識別が難しいものもあります。事前にしっかり確認しておくようにしましょう。
ルートを計画する際には、ForeFlight や Google Earth の衛星画像を使って、自分が選んだポイントが実際に空から視認できるかを確認するとよいでしょう。
良くないチェックポイントも存在する…
迷いたくなければ、以下のような地点はチェックポイントとして使わないようにしましょう:
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送電線:たとえ大きな鉄塔付きの送電線であっても、上空からは非常に見つけにくいです。特にワイヤー部分は高度があるとまず見えません。
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私設空港(プライベートエアポート):舗装滑走路があっても、木々の近くなどに隠れるように設置されており、小さくて見つけにくいです。
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芝生の滑走路:空から芝生の滑走路を見分けるのは難易度が高いです。
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小さな小川や細い川:セクショナルチャートに表示されていても、木々に覆われていると視認困難です。
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小さな湖:輪郭がはっきりせず、識別が難しいため適していません。
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枯れた川・湖・小川:すでに水がなくなっている場合、航空図にはあっても実際には見えません。
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小さな町:地図に表示されていても、実際には建物が数軒しかないような場所も多く、識別には向きません。他に目立つ構造物がある町を選びましょう。
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単体の山:その山岳地帯に精通していない限り、空からは他の山と区別がつきづらく、目標としては不向きです。
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通信塔・鉄塔:送電線と同じく、地形や植生に溶け込んで見づらくなります。
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一般的な道路の交差点:主要高速道路でなければ、他の交差点と見分けがつきません。
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特徴的な植生エリア:例えば湿地帯が地図に表示されていても、空から識別するのは難しいです。
クロスカントリーのための良いチェックポイント選び
というわけで、良いチェックポイント選びのポイントは、
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空から簡単に識別できる
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飛行ルートに近い
この2点を満たすことです。時間をかけて、周囲とのコントラストがはっきりしたポイントを選べば、空から見つけるのに苦労することはありません。
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