ずいぶん昔の事だけど、また今日も有ることを思い出してひとりで笑っていた。
サンノゼ空港での訓練フライトが終わって、飛行場から自宅へ戻る途中、何故か右の小鼻がかゆくなってずっと掻きながら運転をしていた。
すると、あまり掻きすぎたのか今度は痛くなってしまって、掻きすぎて痛いところを人差し指で撫でながら運転していたときに前の信号が黄色から赤へ。
横断歩道の前で停止して小鼻を撫でながら信号を待っていると どこからか嫌な視線を感じた。
未だ痛い小鼻を撫でながらその視線を感じる方を探すと、それは左の車線で信号待ちをしている隣の車の中からだった。
眉間に大きな縦じわを寄せたしかめっ面にさげすんだ眼でこっちを睨んでいるのは、普通にしていれば上品そうな白人のおばさま。
『運転しながら指で鼻をほじるなんて 野蛮人!』 明らかに勘違いをして怒っている。
『あかん、勘違いをこのままにしていたら日本人、いやアジア人の面子にかかわる!』
とっさにそう感じた僕は、その勘違いしているご婦人の顔を見ながら
小鼻を撫でていた人差し指を口に持って行き チュバッと舐めて見せてさしあげた。
もちろん その後の ニコッと笑ってのウィンクも忘れなかった。
そしたら そのご婦人 すんごい顔して 飛んでもない悲鳴をあげた。
窓を閉めていたこちらの車内からも聞こえる程のそれはそれは、大きな悲鳴。
ちょうどその時、信号が変わったので 僕はゆっくり車を発進させた。
あの時のご婦人の 驚いた顔をたまに思い出す。(汗)
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