50/70の法則を次のテイクオフに生かすには

滑走路を使い切る前に離陸できるだろうか？離陸ロールのとき、特にローテーション速度に近づくにつれ、このような質問をするのは好ましくないでしょう。

では、滑走路を使い切る前に車輪が上がるかどうかを知るにはどうしたらいいのでしょうか？もちろん、離陸性能表から始めるのが一番です。そして、安全な離陸ができると判断したら、それを裏付けるのが「50/70ルール」です。

50/70ルールとは何でしょうか？一般航空機の一般的なルールで、滑走路の長さの50％に到達するまでに離陸速度の70％に達していなければ、離陸を中止するようにというものです。

なぜ滑走路の50％までに離陸速度の70％が必要なのでしょうか？離陸の際、滑走路を加速していくと、滑走路を走行するたびに滑走路の長さを縮めていくことになります。もし、滑走路の半分まで滑走した時点で離陸速度の70％に達していなければ、回転速度に達して離陸するために十分な滑走路が残されていないかもしれません。

では、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。特に必要な離陸距離をすでに計算している場合なのに。

それはいくつかの要因が考えられます。離陸前に風が変わったかもしれません。山間部の空港などでは、滑走路の一方の端にある風向計と反対側の端にある風向計が全く違う方向を向いていることがよくあります。多くのGA機では、2ノットの追い風ごとに離陸距離が10％伸びると言われています。つまり、ほんの数ノットの追い風が大きな違いになるのです。また、離陸時のエンジントラブルなど、他の要因による場合もあります。しかし、どのような原因であれ、50/70ルールはあなたの安全を守るために役立ちます。

50/70ルールの使い方
使い方を説明します。まず、離陸速度の70％を計算します。例えば、シーラスSR-22Tの場合、最大総重量のショートフィールド離陸では、回転速度が80ノットです。

計算すると、80ノットの70％は56ノットになります。つまり、これが目標速度である56ノットなのです。

ハーフウェイポイントの選び方
次に、滑走路の50％地点を見つける必要があります。これにはいくつかの方法があります。まず、空港の図があれば、大体50％地点にある誘導路や交差するタクシーウェイがあるかどうかを確認することができます。

Steamboat Springs空港を見ると、滑走路32を出発する場合、最初の誘導路が滑走路のほぼ50%地点にあることがわかります。

つまり、50/70ルールを使うには良い基準点なのです。KSBSの滑走路32から離陸を開始したら、最初の誘導路に着くまでに56ノットを達成する必要があります。もし誘導路に着いて56ノットになっていなかったら、それはアボートする時です。また、飛行機は加速するよりもはるかに速く止めることができるので、滑走路で安全に止まるための十分なスペースがあります。

もう一つの目安は、大きな空港にある滑走路残距離標です。滑走路残距離標は、滑走路があと何千フィートあるか教えてくれるものです。これはその一例です。

この例は、コロラド州アスペンですが、標識はどこでも同じように、黒い標識に白い数字が書かれています。2 “が見えたら、滑走路の残りが2,000フィートであることを意味します。4 “が見えたら？それは滑走路の残りが4,000フィートであることを意味します。

もしあなたがアスペンから離陸するのなら、滑走路の長さは8000フィートと知っているはずです。そこで、同じ離陸のシナリオで、滑走路の50％のところで56ノットを目標速度にすると、”4 “の標識に着くまでに56ノットを達成する必要があることが分かります。

すべてをまとめる
安全な離陸のために十分な滑走路があることを確認するために、常に離陸性能表を使用する必要があります。しかし、その後、50/70ルールを使う事で、滑走路を走行時にとても良い保険になります。

もし計画通りに行かず、離陸時に期待した性能が得られない場合、停止するための十分なスペースがあれば、しっかりと「離陸を中止する」判断材料が得られます。

航空の世界では何でもそうですが、手遅れになるまで待つより、早めに決断した方がいいのです。50/70の法則に従えば、まさにその通りになるのです。